2014年6月26日木曜日

音のみによって構築する。



 
新曲に取り組む時に一般的には、譜読みを終えたら曲の解析をしてから仕上げていく方法で練習するのだろう。しかし、私はその逆で譜読みをしながら弾きこんでいって、後から解析してみたら自然とその通りになっていた、ということが殆どだ。
 
私の音楽はよく自由で表現力がある、鋭い人からは一つ一つの音に本当に意味がありますね、というような言われ方を頻繁にされる。
 
しかし、例えば楽曲イメージ奏法などのような事はしない。
 
意外だと思われるかもしれないが、楽譜に忠実に「音のみによる情報だけで、音楽を構築する。」
 
そうすると、以外にも私は何もイメージしていないのに、「あそこの中間部のフレーズがまるで男と女の官能的な会話に聴こえた。」とか「情景が浮かんできた。」とか「美穂さんの心の奥底にある宇宙的なものを感じた。」などと聴衆の方々は言ってくれる。
 
へ~そんな風に聴こえたなんて知らなかった!驚き!などと言うと、「狙ったんでしょう?」という人までいたりする。「音の事しか考えていなかった。」といくら言ってもなかなか信じてもらえない時さえも。。。
 
もちろん、曲の背景や歴史を勉強したり、最終的にはアナリーゼするのだけれども、まずは何の先入観もなく、自分自身の力で感じる事を先にしなければ、何かこう通り一遍の演奏になってしまうような気がするのです。
 
このような方法はきっと誰にも適しているとは限らないのだろう。だから私と逆の方法で音楽に取り組んでいる多くの人達には、理解されないのかもしれない。
 
 
しかし、このやり方が意外と、耳を澄まさせ、感性を研ぎ澄ます事ができ、イメージを掻き立てられることがあるのです!
 
この方法が生まれつきのものや育った環境によるものだから私には向かないと思っている人がいたら、決して諦めなくて良い。最初は上手く行かなくても、何度も何度も試みてみるときっと何かが遠くから聴こえてくる、あるいは胸に何かが響く、あるいは脳で何かを感じ取ることが出来るだろう。。。