2014年12月30日火曜日

回想2014。




今年心に残った演奏の中の一つに、松本ハーモニー・ホールにて稲垣稔さんにゆかりのある日本を代表するギタリスト達とのアンサンブル。その粒ぞろいの琴線に触れるサウンドに心が温かくなりました。

それぞれ名器でそれらを弾きこなすベテランだけのアンサンブルは、その力量と経験から何も言わなくても通じ合う、そして音を出した瞬間のその美しさと言ったら。

もともと子供の頃からアンサンブルに所属して合わせものが好きでしたし、クォリティーの高い人同士の響きや呼吸は何物にも代えがたい瞬間でした。


それと、鹿児島に拠点を移して復帰して久しぶりにソロリサイタルを開催させて頂きました。感激したのは、その主催がピアニストの会の皆さまだったこと。

この時には、つまらないのでは、と思いながらも正統派の名曲を、正当な形で演奏致しました。

何故かと言えば、よくよく考えてみると鹿児島ではクラシックギターのいわゆる名曲コンサートが行われていないように感じていたからです。基本からまず出発しようと思いました。

そしてアンコールも含めて12曲を全て暗譜で。これも(特別な事情がない限り)ソロリサイタルの時の基本中の基本です。たぶん今後はそれぞれの企画に合わせることが多くなるだろうから、もしかしたら、ソロでも楽譜を置くからもしれません。しかし、今まで子供の頃からギターは暗譜で弾くのが当然だと思っていたので、改めて考えたこともありませんでした。

自分のカラーを出す前にまずはここから出発したかったのです。これは私の努力ではなく、鹿児島の環境やこのコンサートを主催してくださった方々がそういう発想にさせて下さったのです。

あらためて基本に戻れた環境に感謝します。